『何回、言うたら出来るねんっ!』
先日、居酒屋に行った際に、厨房の奥から聞こえてきた言葉です。
同じミスを何度もしてしまうスタッフがいるのでしょうか。
失敗を咎めるのなら…
もう少し具体的なアドバイスをするほうが効果的だと思うのですが…。
まぁ、でも…言ってしまう気持ちも分からなくはないですw
ただ…それは教育ではなく、自分の苛立ちを相手にぶつけただけなんですけどね。
今日は、教育の原点についてお話しようと思います。
教育とは、何か。
【教育】教え育てること。教育を受ける人の知識を増やしたり、技能を身につけさせたり、人間性を養ったりしながら、その人が持つ能力を『引き出す』こと。
ポイントは、能力を『引き出す』ことなんですよね。
そして、それは『実行』出来て、初めて『引き出せた』ということになります。
例えば…知識を頭に詰め込むだけでは、何の意味もありません。
頭に入れた知識を、適正な場面で、活かし行動できるかが重要です。
要するに、『教育』とは単純に『伝える』ことではなく、『行動』に移せて初めて『教育』をしたことになるわけです。
よって、冒頭の『何回、言うたら出来るねんっ!』という言葉は…
『自分が教育出来てませんっ』てことを大きな声で言うてるのと同じなんですね。
ハズいwww
マルチタスクが出来る人は『2%』しかいない
教育の基本的なプロセスを整理しておきましょう。
- 『目的』を理解させる
- 完成形を見せる
- 理論を理解させる
- 手順を理解させる
- 基本動作を理解させる
- 応用技術の習得
- 技術のブラッシュアップ
- 独自技術の開発
ザっと上げただけでも8つものプロセスが存在します。
また、人間は覚えようとする時、大抵はメモを取ろうとします。
なんなら、メモ取らないと叱られる場合もありますよねw
その時のタスクは…
- 目で見る
- 耳で聞く
- 頭で考える
- 手で書く
同時に4つものタスクを行うわけです。
複数のタスクを同時に行うことを『マルチタスク』と言いますが…
そもそもマルチタスクが可能な人の割合は、たったの『2%』です。
一度や二度、相手に伝えても『出来る』ようになることは、ほとんど無いということが分かると思います。
行動が習慣化することがゴールであると考えると…
どれほどの時間が必要かわかりますよね。
『何回、言うたら出来るねんっ!』じゃないんです。
出来るようになるまで『何度でも』教えるんです。
その覚悟がない人が、自分が教えられないことを棚に上げて、怒鳴り散らすわけですw
『出来ない』のは、アナタの教え方が悪いんです。
短時間で『成長を実感させる』教育法
短時間で『成長を実感させる』ことは、教育において非常に重要です。
それは、受け手側のモチベーションに繋がるからです。
誰しも…何度やっても出来ないことにチャレンジすることは苦痛です。
逃げ出したくなるものです。
しかしながら、教わったことが短時間で『出来た』と実感することが出来れば、次もやれると思い込み、教わる姿勢にも変化が現れます。
では、どのように教育すれば、短時間で成長を実感させられるか…
これは、実は意外なほどに簡単なんです。
出来得る限り『マルチタスク』を排除せよ!
効率よく成長させたい場合、一見『効率的』と思われるものを排除することから始めます。
- 説明を聞くときにメモを取らせない
- 手本を見せるとき、出来る限り不必要なワードを削る
- アウトプットの時間を別途準備する
マルチタスクを排除するということは、同時に行っているものを極力1つの行動に制限させるということです。
一見、非効率なものが実は効率的であり、効率的と考えていたものが非効率になってしまっていることはザラにあります。
聞くときは聞く。見る時は見る。考えるときは考える。
1つのことに集中させるほうが、実は効率的ということです。
まさに『急がば回れ』ということですね。
仕事のスピードアップにも関係する
これ、実は『仕事のスピード』にも関係しています。
仕事が遅い人っているでしょ。
仕事が早い人からすると、信じられない話かも知れませんが…
仕事の遅い人って、複数の仕事を同時に進めていることがよくあります。
1つ目の仕事をしている間に、2つ目の仕事が気になり、1つ目が終わっていないのに2つ目の仕事に手を出すんですw
そうしていると3つ目の仕事のアイデアが浮かび、2つ目も中途半端にして、3つ目の仕事に着手するwww
結局…3つとも終えることが出来なかった……みたいなw
ウソでしょwって思うかも知れませんが…
こういう人って、実はめちゃくちゃ多いんです。
私も『マルチタスク』に挑戦したことがあります。
でも、2%の人間でないことを悟り、すぐに止めましたw
大抵の人は、出来ないんです。
だからこそ、教育をする際は、マルチタスクを排除しなければならないということです。
今日は、ここまで。
では。
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