私の友人に『甲斐ちゃん』という好青年がいるんですが…
一緒に飲みに行くときは、事前にお店のチョイスから予約まで、彼がしてくれるんです。
ごはんも、お酒も、店の雰囲気も、毎回完璧な段取りをしてくれる彼なんですが、唯一ひとつだけ、めっちゃ気になることがあるんです。
それは、なぜか予約の名前が、毎回『赤井』になっていることです。
甲斐ちゃんも名前を間違えられていることについて、
『なんでなんですかねー。』
と不満げに話しておりました。
ある日、2軒目に行こうということになり、私の隣で予約の電話をしてくれている甲斐ちゃん。
恐らく、予約が取れて、名前を聞かれているであろうタイミングで…
『あ。カイです。』
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みなさん。こんばんは。
コロナが収まりつつある中、ようやく学校も少しずつ再開しているようですね。
このまま、休校もなく進んでほしいものです。
新学年になり、最も重要な4月と5月を自宅で過ごした影響はどのくらい出るのでしょうか。
特に高校3年生は、そろそろ将来の進路を決める時期に入ってきていますよね。
進学するにしても、就職するにしても、よくよく調べてくださいね。
入ったあとで…
『こんなはずじゃなかった!』
と後悔しないよう、慎重に選んでください。
今回は、専門学校の元校長が教える、後悔しない専門学校の選び方を教えます。
少し、長くなりますので、まずは『免許/資格編』です。
学校選びに失敗しないよう、是非ご覧いただき、参考にしてくださいね。
目次
自分に必要な『免許/資格』について調べましょう
就きたい職業に必要な資格が取れるか
当たり前の話ですが、意外と見落としやすいポイントです。
特に専修学校ではなく、無認可校いわゆる『スクール』といわれる教育施設に通うことを検討している方は、特に注意が必要です。
専門的な学校に行くのだから、資格は当然取れるだろうと思っていたら、大きな落とし穴にハマってしまうこともありますので、注意深く確認してくださいね。
『業務独占』と『名称独占』の違い
これ、ややこしいですねw
結論から言うと、仕事に就くにあたって必要なのは『業務独占』の免許です。
要するに、『免許を持っていないと働いてはいけません』と法律で定められている職業に必要な免許ですね。
代表的な職業としては、弁護士や税理士などの士業、歯科衛生士、美容師などが挙げられます。
逆に『名称独占』は、『免許を持っていれば、その名称を名乗ってもいいですよ』と法律で定められている免許です。
代表的な職業としては、管理栄養士、調理師、保育士などがあります。
たまに勘違いしている方もいらっしゃいますが、名称独占とは、その名称を名乗ってよいという法律であり、職業に就くにあたり必要な免許ではありません。
調理師免許を持っていれば、『私は調理師です』と名乗れるのです。
飲食店を開業するにあたって、持っておかなければならない免許でもありませんし、調理師免許を持っている人を雇う必要もありません。
あなたが目指している職業に本当に必要な免許は何なのか。
しっかりと調べてくださいね。
また、名称独占の免許や各種資格について、働くこと自体は法律で規制されていないものの、就職試験を受ける条件になっている場合や報酬に差がある場合もありますので、業界の実情をよく調べ、自分が必要な資格は何かを調べておくことが大切です。
資格試験は『合格率』よりも『取得率』を重視する
『合格率』は聞いたことがある方が多いと思いますが、本当に重視しなければならないのは『取得率』です。
一つひとつ解説しますね。
資格試験の『合格率』
合格率とは、『資格試験合格者』÷『受験者数』で出すパーセンテージです。
合格率に関して言えば、当然、高い学校を選ぶべきです。
専門学校に通ったのに、資格が取れなかったら、学校に通った意味がないですからね。
でも、合格率が高いって、『何%』から高いと判断したら良いでしょうか。
こればっかりは、各資格試験の難易度にもよります。
一度、受けたい資格の全国平均合格率を調べてみてください。
ネットで調べればすぐに出てきます。
全国平均よりも高い合格率を出している学校が、合格率が高い学校と考えてよいでしょう。
資格試験の『取得率』
そして、合格率よりも重視したいのが、資格の『取得率』です。
合格率とは、『資格試験合格者』÷『受験者数』で出すパーセンテージですが、
取得率とは、『資格試験合格者』÷『在籍者数』で出すパーセンテージです。
例えば、『在籍者数100名』『受験者数80名』『合格者75名』としましょう。
この場合、合格率は『合格者数75名』÷『受験者数80名』=93.7%
そして、取得率は『合格者数75名』÷『在籍者数100名』=75.0%
全く違う数字が出ますよね。
全国平均が85%だったとすると、合格率表記では全国平均を上回ります。
しかしながら、取得率で見ると、全国平均を10ポイントも下回ってしまうんです。
これはとんでもないですよw
なぜ、こんなことが起こるのか。
それは、受験しても合格しないであろう生徒を、最初から受験させない学校があるからです。
理由は簡単です。
合格率が低いと、専門学校としての存在意義が問われ、募集活動に影響が出るからです。
専門学校の本質は、入学したすべての学生に資格を取得させることです。
にも関わらず、残念ながら、意図的に学校の合格率を上げる(下げない)ために、受験させる生徒を選抜する学校があるのは事実です。
そして、この数字はホームページにもパンフレットにも記載されていません。
オープンキャンパスに足を運んで、直接聞かなければ出てこない数字です。
『在籍者に対して、何人が受験していますか?』
というような、質問をしてみましょう。
仮に受験していない学生がいたとしても…
明確に『今年は、〇人が受験しませんでした』と答えてくれる学校なら信用できると思います。
問題のない学校であれば、基本的には全員受験していますが、時には個人的な理由で受験しない学生もいます。それでも1人か2人が受験しない程度です。
逆に『ほとんど受験しますよー』などと曖昧に答える学校は注意が必要です。
先生に聞いても、なかなか的を得ない場合は、その学校に通う在校生に聞くのもひとつですね。
学生は正直ですから。
先生が言いたくないことでも、学生に聞けば、正直に話してくれるパターンは結構多いですよ。
内部の実情を知りたいときには、学生に聞くのが一番かも知れませんね。
必要以上に資格が取れる学校は要注意
『こんなに多くの資格が取れます!』
と謳っている専門学校は結構あります。
それが、その学校のウリなんですが…
なぜ本来、必要のない資格を取らせるのか。
疑問ですよね?
語弊を恐れずに言えば…
然程、業界を知らない教師や親が、『とりあえず資格は持っておいたほうが良い』と無責任に子供へ言ってしまうからです。
そして、一部の専門学校は『こんなにたくさん資格が取れますよ』と宣伝するわけです。
資格の勉強って、決まっていることを教えるだけなので、教師側からすると楽ですしね。
はっきり言って、必要のない資格まで取る必要はありません。
『資格ホルダー』に何の意味もないんですよ。
資格を取っても、現場で使える知識やスキルがないのなら、持ってないのと同じです。
そして、どんな資格を取るにしても、簡単に取れる資格は少ないんです。
資格取得のために、何十時間と授業時間を割くわけです。
勿体なくないですか?
その道のプロフェッショナルになろうと、専門学校に入学したにも関わらず、使わない資格取得のために何十時間も授業を割くんですよ?
必要最低限の資格が取れれば十分です。
それよりも、業界の現場が求める『技術力』『営業力』『人間性』の教育に力を入れている学校を選ぶべきです。
そのほうが、充実した学校生活が送れますし、就職した際も即戦力として、企業から歓迎されます。
資格の多さよりも、『現場力』が身に付くかどうかを判断基準にしましょう。
学校選びのポイントまとめ【免許/資格編】
- 必要な免許/資格が取得できる学校か?
- 必要な免許/資格の合格率が高いか?
- 取得率と合格率に大きな差がないか?
- 不必要な資格取得よりも現場力に力を入れている学校か?
いかがでしたか?
『取得率』の重要性なんかは、初めて聞いたという方もいらっしゃるかも知れませんね。
ホームページやパンフレットに、不利益になるような情報を載せる学校はありません。
一度は直接、学校に足を運んでしっかりと確認しましょう。
今日は、ここまで。
次回は、専門学校を選ぶ上で、見ておくべき『数字』のお話をお届けします。
お楽しみに!
では、ばーい。
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