『イエス!』って返事をすることは大事だけど、何でもかんでも『イエス!』って返事するのはダメだと思う。しっかり考えて、断らないといけない時は『ノー!』って言える人じゃないと、逆にみんなに迷惑をかけてしまう。
友人である小学生のSAMと、映画『イエスマン』を観たあと、SAMが言った感想である。
私は、彼に聞いた。
ほんならSAMは『イエス』って言うか、『ノー』って言うかは、何で判断しようと思う?
すると、SAMはこう答えた。
やって『良いこと』か『悪いこと』か。誰かが『喜んでくれる』か『悲しむ』かを考えてどうするか決める。
泣ける。
子供ってスゴいですよね。
一瞬で成長するんですから。
そのあと、ハイボール作ってくれるスピードも格段に上がったもんねw
さて…本題にw
みなさん、こんばんは。
今回は『LGBTに関する活動により私が何を実現させたいのか』をお話したいと思います。
私は、ある事件をきっかけに『LGBTQ+』の方々が、もっと生きやすい世の中に出来ないものなのか考え出すようになりました。
今日は『もっとみんなが生きやすい国にしたい』そんなお話です。
★前回までの記事★
『焼肉屋と龍と私 ~セクシャルマイノリティについて私が考えるようになった理由~vol.1』
本当にあった!ウソのようなホントの事件
とある結婚式場から…
『広報戦略の一環で、何か一緒にイベントを打てないか』と、相談を持ち掛けられたお話。
ブライダル業界は、『ゼロ婚』や『ジミ婚』といった逆風を受け、かなりしんどい業界であることは、みなさんもご承知おきの通りです。
当時の私には、最強のブレーンが右腕としてついていました。
彼の名前を… FUNNY FAT CREW としましょう。
いや、長いなw
FATにしたら…ただの悪口になるしw
まぁ、名前はええかw
とにかく、彼が私のもとに、この案件を持ってきたわけですね。
そこから、どーしようかと。
彼と様々なアイデアを出し合いながら、考えていたんですね。
泊まり込みで考えることもありましたから、時にはお互いが寝言で会議してるみたいなw
そして、二人が出したアイデアが…
『模擬挙式じゃなくて、リアル挙式を見学できるイベントを打つ』
というものでした。
模擬挙式って、所詮『模擬』なんですよ。
スラっとした新郎モデルが、きれいな新婦モデルをエスコートして…
神父がカタコトの日本語で…みたいなw
どこか、遠い夢のような場面を見せられるわけです。
実感がわかないというか…身近に感じられないんですよね。
だから『リアル挙式』を遂行しようと。
でも、みなさん思いません?
一生に一度。それも人生最大のイベントですよ。
大勢の知らん人が見ていてもいいと思う人が、どこにおんねんっ!
それが……いるんですよ。
そう『龍』です。
早速、彼に確認しました。
『こんなイベントを企画してるんやけど…どうなるかも全然わからへん。でも、もしイベントが実現するなら挙式をしないか?実現するとなると、LGBT関連は世間の関心も強いし、話題になることも考えられるけど…』
彼は『ええよ。』と、たった一言で快諾してくれました。
そこから、式場へのプレゼンをしたんですね。
式場の責任者の方は、ノリノリでした。
もちろん『龍』が性転換手術をしているということも理解しています。
まぁ、法律上も男性なわけだし、当然、日本国から結婚することも認められているわけですから、何の弊害もないわけです。
その日、ある程度の概要を詰め、あとは式場側の本部決裁を待つだけだったんですね。
かなり手応えも感じてましたし、これは実現できるだろうと、私は龍に連絡をします。
私『今日、無事にプレゼン終わったわ。まだ、式場側の本部決裁は下りてないけど、式場責任者の方も是非やりたいって言うてくれてるし、たぶん大丈夫ちゃうかな』
龍『そかそか。まぁどっちにしても、そのつもりではおるわ。5歳の娘も結婚式してって言うて楽しみにしてるねん』
娘ちゃんにも、いい想い出になるような、サプライズ企画も考えなアカンなぁ。
その時は、そんな呑気なことを考えてたんですね。
数日後、式場からの回答は…
・・・・・・
『今回の企画は見送りたい』
・・・・・・
えっ?なんで?
FUNNYから報告を受けた私は、絶句しましたね。(FUNNY…これも微妙に悪口やぞw)
理由を言いにくそうにしているFUNNYに聞きます。
私『なんでや?あんなに前向きやったやん。』
F『会場責任者は、めちゃくちゃ推したみたいなんやけど…本部決裁は下りなかったみたいです』
私『なんか…他の案が通ったんか?』
F『いや。イベント自体は、ウチとやりたいって、言うてます』
私『ん?ほな、何が決裁下りひんかったん?』
F『リアル挙式案がはじかれました。理由は………。』
『龍が性転換手術を受けているからだそうです…』
はぁ?
その理由の意図がわからん。
『ブチギレる』
『腸が煮えくり返る』
そんな言葉では、表現できないほどの……
『怒り』『悲しみ』『悔しさ』『申し訳なさ』………
色んな感情が、私のなかを駆け回り…
あれは…何なんやろ。
絶望感っていうのかな…。
企画がボツったことを龍に報告すると…
『そっか。残念やな。でも、なんとなく、そうなる予感はしてたよ。娘ちゃんは悲しむかも知れないけど、ユウキくんが悪いわけじゃないんやから気にせんといてな』
私が、最終的に辿り着いたのは…
自分自身の『無知』と『無力』でした。
この事件をきっかけに『自分に出来ることはないのか』と考えるようになったんですね。
岩手県の専門学校が市民団体とタッグを組んで、『LGBTの結婚式を実施した』と全国のニュースで流れたのは、この事件から半年後のことです。
私は『セクシャルマイノリティ』という言葉が嫌いです
世の中の性を『女性』と『男性』に分けたがる人はたくさんいます。
でも、それに何の意味があるんでしょう。
小学生の時、集会では男女別に並びましたよね。
あれに何の意味があるんですか?
LGBT総合研究所の調査では、LGBTQ+に該当する全人口の割合は『10%』であると発表しました。
10人に1人が、単純に『女』と『男』には区別できないということです。
そして、これはカミングアウトしている人だけの数で算出した割合ということを忘れてはいけません。
私は、カミングアウトできずに悩んでいる人たちを多く見てきました。
10人に1人よりも、もっと存在しているということです。
ある小学校でLGBTの教育を実施したところ、授業後のアンケートで『自分もそうかもしれない』と回答した割合が20%あったという調査報告もあります。
私ね。
『セクシャルマイノリティ』って、言葉が好きじゃないんです。
だって、これはもう『少数派』じゃないですよ。
40人のクラスなら、4人以上いるってことですよ。
『そうかもしれない』と思った子供が、1/5いるんですよ。
今は、まだ…そう言ったほうが伝わりやすいので使いますが…
少数派って、認識を無くすことから始めないとダメじゃないかと思うんです。
性転換手術後の死亡率
性転換手術を受けた後の『死亡率』を知っていますか?
一説では、性転換手術後、3年以内に70%の方が亡くなっているそうです。
理由は…『自殺』です。
なんか…悲しいですよね。
・・・・・・
『身体を変えれば、自分は女性(男性)になれるんだ』
小さな頃から感じていた、違和感。
異性と着替えを強要される、学生生活。
さまざまな生きづらさを。
性転換手術を受けることで、やっと自分らしく生きられるんだ。
・・・・・・
そんな風に思っていたのに。。。
結局、社会は認めてくれなかったという、現実に気付いてしまったとき。
人生を終える決断をするのかもしれません。
正直、私にはわかりません。
自分自身がそうじゃないから。
分かったように言うのも嫌です。
でも、『龍』と一緒に過ごす中で、社会が認めない現実は見てきました。
彼は『性同一性障害がクライアントにバレたらクビ』という、理不尽な条件で働いたこともありましたから。
だから、その気持ちは分かっているつもりです。
こんな社会ダメだ!ってみんな口を揃えて言いますよ?
でも、それは所詮『綺麗ごと』なんです。
誰もが、本当に生きやすい社会とは…
性転換手術なんか受けなくても、ひとりの『人』として生きられる世の中じゃないんですかね。
本人が性転換手術を受けたいと思うのは、否定しません。
でも、その理由が『生きづらいから』なんだったら、それは社会を変えるべきでしょ。
ベルギーでは、性転換手術後、思い描いていた理想と現実が、あまりにも違うということに絶望した方が『安楽死』を選んでいます。
『自殺する人は、弱かった』
そんな意見には、絶対に賛同できません。
俺は『女性』だとか『男性』だとか、そんなことで『一括りにする世の中』を無くしたいんです。
『誰もが生きやすい世の中にするなんて不可能だ』って言う人もいるけど…
それでも、一人でも『生きやすい』って思えるのなら、チャレンジしてみませんか?
今日は、ここまで。
長くなっちゃったので、続きは明日。
では、ばーい。
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