焼肉屋と龍と私 ~セクシャルマイノリティについて私が考えるようになった理由~vol.1

LGBTQ+
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先日、男性ベビーシッターの活動停止を発表した企業のニュースを見た。

ワイドショーのコメンテーターは…

  • 男性シッター全員が性犯罪者になり得るということなのか
  • 女性は性犯罪を犯さないのか
  • 職業性差別だ

どこもこんな感じの批判的な意見だった。

その意見に対しては、全くその通りだと思う。

男性だけでなく、女性だって性犯罪を犯す可能性はあるし、世の中の男性全員が性犯罪予備軍とも思わない。

何かを『一括り』に見ることは、それほど危険なことである。

ただ、このニュースを見た時の私の考えは、ちょっと違ったんです。

この企業は、女性と男性という性の括りで判断しているようだが…

  • レズビアンであるシッターはどうなるんやろ?
  • バイセクシャルは?
  • トランスジェンダーは?

男性シッターの活動を停止した企業は、性的マイノリティーのシッターをどのように考えて対応したのか非常に気になったんですね。

コメンテーターは、どう考えてるんだろうと。

誰かを責めるとかではなく、単純に気になったんです。

ブログやSNSに『LGBT』のタグをつけているので、よく質問されます。

『あなたはストレートじゃないんですか?』

ストレートという、表現がどうかということは置いておいて…

  • 身体的性は『男』
  • 性自認は『男』
  • 性的指向は『女』
  • 性表現は『男』

これを、ストレートと言うなら、私はストレートです。

では、なぜLGBTへの想いが強いのか?

今日は『私がLGBTについて考えるようになったワケ』そんなお話です。

尚、『龍(たつみ)』には、このブログ掲載内容について、すべて事前に了承を得ていることを先にお伝えしておきます。

生涯の友『龍』との出会い

私が『龍』と出会ったのは、約20年前。

彼が、同じ職場に入社してきたのが始まりだ。

『彼』は、当時まだ『彼女』だった。

もちろん、単純な性別で言うと、そうなるという意味である。

出会って間もなく、私と龍は二人で、東京へ2週間の出張へ行くことになる。

出張に向かう新幹線の中で、話をしたのが最初だったんじゃないかな。

第一印象なんて、覚えてないけど…

とにかく東京までの3時間が、あっという間に過ぎたことは覚えている。

こんなに話をしていて、オモロいと思ったことはないんじゃないかとw

それほど、私は『彼』の魅力に惹きつけられていた。

そこから『龍』を親友と呼ぶまでに、そう時間はかからなかった。

親友って…なんじゃそりゃw って思うかもしれないけど…

別に、中二病でもロマンチストでもありまへんw

社会人になってから、親友と呼べる人と出会えることって、ほとんど無いんじゃないかって思うんですよ。

そんなこと言って、恥ずかしくないのかと言わるような気もしますが…

私は、彼を親友と呼べることに『誇らしい』とさえ思っています。

焼肉屋と龍と私

意気投合した私たちは、初日の夜、焼肉屋で飲むことにします。

そこで、彼にカミングアウトされるんですね。

龍『俺、ホンマは男やねん…』

私『うん。ほんで?』

龍『え?びっくりせーへんの?』

私『別にどーでもええし、そういう人がいるってことも知ってるし、特に驚きもないかな』

人生で初めて、女性から『心は男なんだ』と告げられた私は…

自分でも驚くほど、その事実を受け入れた。

んー。

ちょっと、ちゃうな。

受け入れたというより、『そんなこと、どーでもええやん』って思ったんですね。

それほどに、たった1日で『龍』という、ひとりの『人』に心底、惹かれていたんだと思います。

まぁ、そこからは若い男が二人で飲んでるわけですから、ここでは書けないような下ネタのオンパレードですよw

私としては、未知の世界ですからw

自分の知らない世界を知っているということも、私にとって彼が魅力的に感じる要素の一つだったのかもしれません。

龍は『生涯の友』であり『永遠の好敵手』である

東京出張から戻った半年後。

またもや運命的なことが起こる。

この年、80人の生徒を担任2人で受け持つという、画期的な取り組みがなされた。

まぁ、80人2名担任制は、たった1年で終わりを迎えるのだがw

そのたった1年しか実施されなかった担任2名制で、私と龍がタッグを組むことになったんですね。

教師人生のなかで、一番刺激的な1年だったように思います。

二人が請け負ったクラスは、1年次の成績が最下位とその次に悪かったクラスを合併させたクラスです。

初日に生徒の気持ちを知ることから始めることにした、私たちは、あらゆるゲームの中から生徒たちの本心を引き出すことにしました。

その時の生徒たちの想いは…

『学年で1番の成績を取りたい』ということでした。

その夜、ふたり。

きったない赤提灯の店で…彼ら彼女らの願いを実現させようと、誓いましたね。

そこからは、怒涛の日々ですよw

毎晩、飲みに行って、あーだこーだ考えて、翌日実践する。そしてまた飲みに行って考える。

これの繰り返しですねw

飲みに行く必要があるかどうかは置いといてw

時には激しく言い合ったり、時には傷をなめあったりw

まぁ、だいたい傷をなめあってたかなw

そんなこんなで、成績を学年トップまで押し上げましたよ。

新人の二人が、周りが無理だと笑って見ていた状況で、クラスをトップの成績に押し上げたんですから、そりゃ嬉しかったですね。

まぁ、ホントに凄かったのは、俺らじゃなくて生徒たちなんですけどねw

その夜、祝杯を挙げ、北野坂をホフク前進で登るほど飲んだなw

そして、翌年からはライバルです。

お互いのクラスをNo.1にするべく、競い合ってましたね。

それでも、毎晩飲みに行ってましたがw

お互いの手の内は知り尽くしてるので、変な駆け引きはないんですよ。

お互いが、もっとこうしたら成績が上がるんじゃないか。

もっと面白い授業が出来るんじゃないか。

成長を感じさせるには、どうしたらいいか。

相変わらず、生徒たちを育てるためにどうするかの話をアテに飲んでましたね。

よきライバルでしたが…

実は私、『龍』に勝ったと思ったことは、一度もないんです。

確かに、生徒の成績が上回ることはありましたが、自分自身は一つも勝てない。

まぁ、そもそも比べるような間柄じゃなかったのもありますが…

『龍』はセンスの塊なんです。

授業をさせても、話をさせても、文章を書かせても、アイデアを出させても。

彼の右に出る者は、一人としていないんじゃないかと思えるほど。

彼は、すごい才覚の持ち主なんですね。

それは、彼のブログを読んだだけでも分かってもらえると思います。

『FTMの僕と妻と娘の日日是好日』

なぜか…私が自慢しているようになっていますが…w

20年経った今も、仕事は違えど同じですね。

お互いに目指している場所は、違うけど力になれることがあるなら、いつでも喜んで力を貸す。

ピンチの時には、飛んで駆けつける。

焼肉屋から始まった二人の関係は、そんな感じです。

ホルモン注射事件

ある日、いつものように『龍』『太ちゃん』『私』の通称『ズッコケ3人組』で飲んでいる時。

龍が『ホルモン注射打つことにした』と言うんです。

太ちゃんは『ええやん』って言うけど。

私はどーしても、打って欲しくなかったんです。

龍は、別に相談しているわけじゃないのはわかってるんです。

性転換手術も受けたいと言ってたことも知っています。

だから、太ちゃんが正しいんですよ。

龍がやりたいと思ってることに、賛成して背中を押してるんですから。

でも、俺は絶対にイヤだった。

だって、命が縮まるかもしれないから。

いつまでも。

よぼよぼのジジイになっても、アホなことを言い合っていたいから。

だから、早く死ぬかもしれない注射なんて、絶対に打って欲しくなかった。

その日、泣いて止めたことを今でも覚えています。

あの時くらいかな。

いつも優しい太ちゃんに…

『俺らが龍の人生を応援せんでどうするねん』って、本気で怒られたのは。

まぁ、いまだにズッコケてる3人ですけどね。

龍、ついに男になる

それから、間もなく。

ついに龍は、性転換手術を行いました。

結構、心配して連絡を待ってたんですよ。

でも、ようやく連絡来たと思ったら…

『現地のナース服は、ミニスカで最高だ』なんだとw

まぁ、無事に成功したわけです。

そして裁判所に性別変更の申立てを行い、日本の法律上、正式に『男性』と認められたわけです。

そして、彼はいま、愛する女性と結婚をして、子供を育てる毎日に奮闘しています。

彼は、その生活をブログにしているんですが…私が最も気に入っているブログが『これでいいのだ』です。

もしも、あの時…ホルモン注射を止めていたら。

もしも、あの時…性転換手術を止めていたら。

龍の現在の幸せは、なかったかも知れませんね。

今日は、ここまで。

次回は『LGBTにおける活動で私が実現したいこと』をお話できればと思います。

では、ばいちゃ。

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