素晴らしい技術を生み出すのは『守破離』という考え方

教育
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元サッカー日本代表監督『岡ちゃん』こと『岡田武史』さんが『岡田メゾット』をまとめた本を出版されました。

実は、私。

岡田武史さんを『指導者』として、尊敬しております。

SNSでも、岡田さんの言葉を紹介しております。

この『岡田メゾット』は、『守破離』の考えに沿って考え出されたものだそうです。

『守破離』って、みなさんはご存じですか?

実は、私の授業(技術習得)における考え方も『守破離』を意識しています。

え?

昨日は『序破急』って言うてたやん!

はい。そうですねw

『序破急』と『守破離』って…なんか似てますよねw

どっちも3文字やし…

でも『序破急』と『守破離』は全くの別物です。

『序破急』は、授業構成の3ステップとして紹介しました。

『守破離』は、技術習得の3ステップです。

今日は『守破離』の考えが素晴らしい技術を生み出す。そんなお話です。

守破離とは、技術習得における『3つ』のステップ

まずは、簡単に3ステップを紹介します。

  1. 『守』:伝統的な技術『型』を習得する
  2. 『破』:習得した『型』を破り、徐々に独自の『型』に変える
  3. 『離』:伝統的な『型』から完全に離れ、独立した新たな『型』を生み出す

簡単に説明すると、こんな感じです。

何かに似てません?

そうです。

私がよく言う『温故知新』と似てますよね。

『守破離』は『温故知新』に通ずる考え方であるということです。

ただ、この『守破離』を考えずに教えている教師が意外と多いんですよね。

さすが、私が敬愛する『岡ちゃん』ですw

『守』

先程もお伝えしましたが…

『守』とは、伝統的な技術『型』を習得することです。

いわば、技術の『基礎』ということですね。

これを、すっ飛ばす人の多いことw

これは『忌々(由々)しき問題』です。

あとからでは、取り返しがつかないという意味です。

実は、この基礎がマニュアル化されていないことは非常に多いです。

戦術なんかはマニュアル化されていることが多いのに、基礎はマニュアル化されていないんです。

私は、中学時代サッカー部に所属していました。

監督に教えてもらったことと言えば…

  • バス出したら走れ
  • サイドで2回パス回したら、逆サイドに振れ
  • 顔を上げろ

こんなもんちゃいますかね。

あー。

もう一つあった!

『シュートは、ゴールへのパス!』w

んー。

結局は、戦術だったり、考え方なんですよね。。。

  • ボールの蹴り方
  • ボールの止め方
  • 踏み込む位置 etc…

そんな基礎的な技術は、誰にも教わった記憶がないんですよね。。。

だから『逆サイドにボールを蹴れ』って言われても、正確に蹴れないんですよ。

んで、失敗するみたいなw

『狙って蹴らんかいっ!』って叱られるけど…

こっちは、狙っとんねんw

指導者なら、なぜ狙ったところにボールが飛ばないかを教えるべきなんですよ。

これね。

勘違いしてる教師が多いですよ。

私の経験上、どーでもええことで生徒側の目線に立って、しょーもない発言する教師に限って、基礎を教えることが出来ないねw

学校には『カリキュラム』と『シラバス』というものが存在します。

『カリキュラム』というのは、年間で各科目の授業を何時間行いますよ。ってやつですね。

『シラバス』というのは、各科目に設けられた時間数を1時限単位で『こんな授業しましょうね』って目安になるガイドラインのようなものです。

基本的には、この『シラバス』を基に授業計画を立てるんですが…

担任時代、どーしてもシラバスに沿って授業ができない時があったんです。

そのシラバスは、基礎習得にかける時間が圧倒的に少なく設定されていたんですね。

私の授業は、コーム(くし)の持ち方と動かし方だけで最低1限使うし。

スライス(線をひく作業)を教えるのに、最低でも3限使う。

スライスは縦横とあるから…6限使うことになるわけです。

そのシラバスは…単純に線を引くという作業をさせるだけなら、十分な時間が取られていましたが……

技術の習得、基礎の習得って…そういうことじゃないでしょw

スライスを教えるにも…

・立ち位置 ・作業点と自分の身体との距離 ・両足の向き ・両足の開き具合 ・ひざの使い方 ・肘の角度 ・目線 ・頭の丸み etc…

めちゃくちゃ教えること多いんですよw

当時の上司に、相談しても…

『それ、決定事項やから』

んー。

それは…そうなんだけど……こりゃ、あまりにもじゃないかい?w

悩んだ私は…

いつものように『龍』と『太ちゃん』に相談します。

『どうやってもシラバス通りに進められへんねんけど…どうやってる?』

二人の回答が、私を救うことになるんですね。

龍『え?シラバス?……無視。あれって、授業しらん人が見るやつやろw ケツさえ合わせたらええやん。』

その通り!

あくまでも目安やからなw

太『え?シラバス?……何それ?美味しいの?』

アナタ……授業しらんヒト………シラバスミタホウガイイヨ……………www

太ちゃんの名誉のために言っておくが…太ちゃんの授業は……

『中の上』いや『上の下の下』だ‼

そんなに悪くないぞw

生徒を成長させるのが、上手い教師は、それだけ『基礎技術』を徹底的に教えるということです。

それが『守』であり、この『型』を習得することが始まりである。

『型』を理解しない者が、『型破り』など出来るはずがないのだよ。

『破』

『破』とは、習得した『型』を破り、徐々に独自の『型』に変えるということです。

『型破りな~』って、言葉がありますが…

『型』を理解していない者に『型破り』は出来ませんからね。

『型』を知らずに突拍子もないことをする者は、ただの『馬』と『鹿』です。

だから、誰にも相手されないんですよ。

でも『型破り』って、ちょっと期待されてる感ありますよね。

これが、『もしかすると…この人なら新たな素晴らしい技術を生み出すんじゃないか』という、期待の表れです。

『基礎を習得した者だけ』が許される第2のステップ。

『破』

学んだ基礎技術をより良く優れたものへと進化させていくわけです。

基礎を理解しているからこそ、目的を把握し、絶対に曲げてはならないことは曲げない。

やり方を変えたとしても、目的は変わらないんです。

徐々に徐々に…より良く、優れた技術に進化をさせていく過程が『破』と言うことです。

『離』

『離』とは、伝統的な『型』から完全に離れ、独立した新たな『型』を生み出すことです。

いわば、自分を教え育ててくれた師匠の『型』から、独自の『型』に徐々に進化させ、最後には師匠の手を離れ、完全に独立した『型』を手に入れるということです。

古くから、職人の世界では、完全に独立した『型』を手に入れて『一人前』とされてきました。

教わったことを完璧にこなすことは『守』をクリアしただけであり『一人前』と呼ばれるには、程遠いということです。

以前、飲食人大学の寿司マイスター専科の話をしましたが…

あれは、あくまでも『守』の大部分を3ヶ月で習得させるというものです。

『守』をたった3ヶ月で習得させるのは、超絶スゴいんですけどw

これは、まさに革命でした。

ただし、何度もいいますが…

3ヶ月で習得するのは『プロの技術(型)』であり、独自の『型』ではありません。

『守』を終わらせたに過ぎません。

そこから、独自の『型』を確立するまで、どれくらいかかるかはわかりませんが…

自分次第ということでしょう。

現在の学校が求められているのは『守』の部分でしょうね。

しかしながら、『守破離』の考え方を教えておくことは重要です。

『自分の意見、意思を持っている人が欲しい』

そう、仰る企業は多く存在します。

『守破離』を小さなカテゴリーで考えると…

  • 『守』:基本的な考えや知識
  • 『破』:基本的な考えや知識を時代に合わせて変換する
  • 『離』:時代に沿った、自身の考えを持つ

こう捉えることも出来るからです。

学校関係者が口を揃えて言う『考える授業』って、こういうことですよ。

やり方ばっかりに目がいってるから、大切なものを見落として迷うんです。

『守破離』の考え方を軸に考えれば、目的がズレることはありません。

そういう意味では、自身の考えを持つということが『離』ということです。

郷に入れば、郷に従え

『自分の考えをしっかりと持った人が欲しい』

その一方で、自分の意見を主張すると…

『何も分かってないのに偉そうに…』

『学校は、もっと素直な生徒を輩出してくれ』

そんな風に仰る企業の方も多いんですよw

もう少し、学校と企業が歩み寄り、お互いの理解を深められたらなぁと思うこともあります。

でも、仕方ないんですよ。

だって、その企業には、その企業の『型』があるんですから。

まずは、柔軟にその『型』の習得から始めないといけないんです。

そうしないと…より良い『型』は生まれませんから。

例えば…

私の愛する友人であるYoHeyは…勤めていたサロンで……

カットの際、シザー(はさみ)から親指を抜くなと教えられていました。

学校では、コームワーク(髪をとかす)の際は、シザーから親指を抜くように教えています。

はっきり言って…どっちでもいいんですよ。

どちらにもメリット、デメリットはありますからね。

学校で教わることが、すべてだと勘違いするほど…その業界では長く勤めません。

教師として、教える者は絶対に勘違いさせてはなりませんよ。

就職の際、ミスマッチを起こすなと、よく言われますが…

そもそも、完全にマッチする会社なんて、この世に1つしかないんですよ。

完全にマッチするには、自分で会社を起こすしかないんです。

だから、ミスマッチは絶対に起こります。

だからこそ、守破離の考え方が重要になってくるということです。

今日は、ここまで。

では。

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