『天性の人たらしですね』
以前、働いていた職場の女性に言われた一言である。
彼女は、ちょっと高貴で上品なイメージの方だったので…少し驚いて、返す言葉を頭のなかでグルグルと考えていると…
『いや。絶対にいい意味ですよ。』
ホンマかよw
確かに、私は自分の管轄である事業所だけでなく、他部署の方々と、先輩、後輩関係なく、積極的にコミュニケーションを図るようにしていました。
それは、当然、自分が管轄する事業所のためです。
こう表現すると…なんかドライに思われてしまうなw
事業所のためと言うより、部下のためと言ったほうがええかな。
鯔のつまり、人は理屈ではなく、感情で動く生き物です。
よい人間関係が、よい仕事を生みます。
私と他部署の方との人間関係が良好であれば、私の部下と他部署の方との仕事にも多少、好影響があるということです。
逆に上司と他部署の関係が悪く、部下が仕事しにくい、ということもよくある話です。
要するに、私の言動や行動によって、部下が仕事しにくい環境になってはならないと、少しでも部下が働きやすい環境にしようと、考えていたんですね。
部下が働きにくい環境になった時、上司は自ら身を引くべきだと思います。
どこの部署にも属さない彼女だからこそ、よく見えていたのかも知れませんね。
さて、まくらが随分と長くなってしまいましたが…笑
今回は、『ベテラン社員を輝かせる方法』をテーマに書いていきたいと思います。
- ベテラン社員が使えない
- 新たな取り組みをしたくても、ベテラン社員が変わってくれない
- ベテラン社員は、もうこれ以上伸びない
こんな『ベテラン社員がネックだ』という相談をよく受けることがあります。
ほとんどが、新しく外部から上司になった方、もしくは先輩を部下に持つことになった方からの相談です。
私も同様に、他の組織の上司になった経験もありますし、先輩を部下に持ったこともあります。
ただ、私の場合は、先述のとおり、普段から他部署とのコミュニケーションをかなり図っていたタイプですので、ベテランの先輩の考えも、後輩の気持ちも、比較的分かっているほうだと思います。
なので、ベテラン社員がネックだと思った経験は、あまりないんですねw
私の経験も踏まえながら、お伝えしますね。
今日は、『ベテラン社員を輝かせる方法』そんなお話です。
ちょっと、長くなりそうなので2回に分けますね。
では、いってみよー。
ベテラン社員が輝けないのは、上司に問題がある
結論から申し上げると、『ベテラン社員って、捨てたもんじゃないですよ』
彼ら、彼女らは、『輝ける場所』を今でも探しています。
やる気を失ってなどいません。
今でも、貢献したいと思っています。
実際、辞めていった先輩たちが、次の職場で輝きを放つ場面を何度も見てきました。
上司からの評価は良くなかったけど、現場からの評価はめちゃくちゃ高かった同僚が、次の職場で重要ポストに就いているケースも少なくありません。
なぜ、こんなことが起こってしまうんでしょう。
めちゃくちゃ勿体ないですよね。
それは、上司であるアナタにすべての問題があります。
『すべては、言いすぎじゃない?』
確かに、そうですねw
でも、人のせいにしても、何も生まれないでしょ。
だから、あえて『すべて』と考えましょう。
ベテラン社員を輝かせる『5つ』の方法
一言に『ベテラン社員』といっても、さまざまなタイプのベテランがいます。
一通りのことは、こなせる『オールラウンドタイプ』
一つのスキルに特化した『職人タイプ』
出世欲のない『縁の下タイプ』 etc…
それぞれに合わせた対応が必要になることもあります。
ここでは、上司に問題があることに絞って書いてみようと思います。
あなたの過去の実績に、部下は何の興味もない
これは、ベテラン云々だけではないことかも知れませんが…
特に、別の組織の上司になった方が陥りやすい誤解ですね。
私も、初めて上司になった時に、これを誤解していましたw
ちょうど、10年前ですかね。
29歳の私は、初めて部下を持つことになります。
現場の第一線で、ゴリゴリの活躍を見せていた私は、別の組織を率いることになったんです。
当時の私は…輝かしい実績を引っ提げて、上司になるんやから、チームのみんなは、自分に興味があるだろうと思っていたんですね。
まぁ、今考えるとアホですねw
グループ会社やといっても、私の実績なんか誰も知らないんですよ。
それどころか、当然、興味なんかないですよねw
その時に、私の部下になった先輩から言われた第一声が…
『ほんで、何しに来たんですか?』
強烈な一撃w
『お手並み拝見』宣言ですね笑
これで心が折れる人もいるんじゃないかと思いますが…
私は、どちらかというと…笑顔でクラッシュしにいくタイプなのでw
まぁ、でもその部下が言ってることって、そんなに間違ってないんですよ。
『あなたは、上司として、私たちに何をもたらしてくれるんですか?』
ってことなんですよ。
部下が興味を持っているのは、これからのアナタなんです。
今までの実績なんて、どーーでもいいんです。
そのことを痛感させられましたね。
でも、その経験があったからこそ、新しい事業場の責任者に就任した際には、これから、この職場をどんな風にするかの表明に時間を割くようにしました。
部下に期待させることが、上司が一番最初にしなければならない仕事だと思います。
そのためには、まず自分のことを知ってもらい、部下のことを知る必要があります。
組織に対しての、問題定義はその後ですね。
そうしてからは、随分と仕事が回るようになりました。
プレイヤーとしての自分ではなく、マネージャーとしての自分を評価してもらわなければ、特にベテラン社員は、ついてこないということです。
頼みやすい部下にばかり仕事を振らない
これは、私が担任1年目に起こったことなんですが…
当時、私の上司になった方は、入社して1年程で昇格した方だったんですね。
その上司の後輩は、チームで唯一、私だけだったんです。
担任になった私は、初めて受け持つクラスのことで精一杯だったんですが、チームとしての仕事も、当然こなす必要があるんですよね。
これが、回らないんですよw
どう工夫しても、定時に仕事が終わらないんです。
なんとか終わらせても、次から次へと、上司から仕事を与えられるわけです。
でも、早く帰りたいんですよ!
仕事終わりに赤提灯が掛かった、きったない店で早く一杯やりたんですw
先輩たちは、次々と帰っていくんですが…どうしても終わらない。
毎日、遅れて先輩たちが集まる店に、合流するみたいな日々が続いてましたね。
どうしたら、もっと効率的に仕事をこなすことが出来るのか悩んだ結果、私は1年目からずっと面倒を見てくれていた、当時の課長に相談することにしました。
その課長は、私が新人の頃、主任を兼任しながら担任業務をこなしていたんですね。
新人ながら、すげー仕事量をこなす方やなと尊敬していました。
自身の現状と仕事量、仕事のやり方を説明し、どう変えたら、効率的に仕事を進められるかアドバイスを求めたんです。
彼からの返答は、意外なものでした。
『あのさ。これひとりで抱える仕事量とちゃうで。』
ん?
いや、意味が解らなかったんですw
キョトンとしている私に、彼は続けて…
『これチームの仕事のほとんどやん。こんな量は、誰がやっても定時に終わらせるのは無理や。仕事量を調整してもらったほうがいい。』
おいおいwマジかよw
課長にお礼を告げて、一目散に向かいましたよ。赤提灯のきったない店にw
駆けつけ一杯も終えないうちに、先輩たちに言いました。
『チームの仕事をなんで俺一人がやらなアカンねん!』
すると、
『しらんやんw主任に言いやw』
そりゃ、そうやw
『それにしても、あんた、やっと気づいたん?』
『あの量、ようこなしてるなって感心しててんw』
ひどい…w みんな知ってたのね…w
なぜ、そんなことが起こったのか?
先輩たち曰く、
『あんたが唯一の後輩やから頼みやすいんやろ?』
うん。たぶんそうやねw
その当時、先輩たちが抱いていた感情は、概ねこんな感じです。
- 私たちの力は、もう必要ないってことか
- 自分だけで結果出してきたと思ってるんか
- 私たちを排除しようとしているんじゃないか
でも私が、先輩たちに手伝ってくれと、お願いすると、みんな快く引き受けてくれました。
まぁ、それでも上司と先輩の折り合いが良くなることはなく…
上司から仕事を受けた私が、先輩に仕事を振るという…何とも歪な関係が続いたわけですが…
そんなことで、チームが上手くいくはずないですよね。
その時は、上司が退くといった形で終結を迎えたわけですが…
あの状況って、誰が辞めてもおかしくなかったと思うんです。
チームが上手く動かないと悩む上司、仕事を任せてもらえず燻っている先輩、自分だけに仕事を押し付けられていると知った私。
『先輩である部下に仕事を頼みにくい』
たった、これだけのことで…チームは崩壊します。
そして、ベテランの意欲はどんどん削がれてしまうんです。
ベテランを活かすのは、上司であるアナタの仕事です。
今日は、ここまで。
明日は、残りの3つを一気にご紹介しますね!
では、ばいちゃ。
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